子育てをしながら仕事をしていると、
「もっと子どもと一緒にいてあげたほうがいいのかな」
「仕事を優先してしまって、子どもに寂しい思いをさせていないかな」
そんなふうに悩むことはありませんか?
私自身、子どもが小さい頃、仕事と子育ての両立に悩み、強い罪悪感を抱えていた時期がありました。
そんなときに出会ったのが、児童精神科医として長年子どもや家族に寄り添ってきた佐々木正美先生の本でした。
その本に書かれていた子育てについての考え方が、当時の私の悩みにすっと入ってきました。
「私は間違っていないのかもしれない」
そう思えるようになったことで、少しずつ子どもとの向き合い方も変わっていきました。
今回は、私が子どもたちが小さい頃に感じていた悩みと、佐々木先生の本からもらった気づき、そして実際の子育てで取り入れていたことについて書いてみたいと思います。
仕事を始めたことで、子どもに申し訳ないと思っていた
私がパートを始めたのは、長男が小学校に入学するタイミングでした。
その頃、次男は4歳くらい。幼稚園の年中さんでした。
それまでは、次男を幼稚園に送っていくのも私の役割。
幼稚園に行くことを楽しんでいた次男でしたが、私がパートを始めた頃から、急に幼稚園に行きたがらなくなってしまいました。
朝、幼稚園へ送り届けることも大変なくらいでした。
それまで私がしていた幼稚園の送迎も、パートを始めてからは祖母にお願いするようになりました。
次男にとっては、今まで当たり前だった生活が変わってしまったんですよね。
「本当にごめんね」
当時は、そんな気持ちでいっぱいでした。
もちろん、働くことを選んだのには理由がありました。
マイホームを購入して住宅ローンの返済もありましたし、これから先のために少しでも貯金をしておきたい。
それまで専業主婦だった私は、これからの生活のことを考えて、パートで収入を得ることを選びました。
でも、自分の中では、
「子どもとの時間を大切にすること」と「収入を得ること」のどちらを選ぶべきなのだろう
という迷いがありました。

周りの意見を聞くほど、余計に迷ってしまった
周りの人に相談すると、いろいろな意見がありました。
「今は共働きが当たり前だよ」
「赤ちゃんの頃から保育園に預けて働いている人もいるよ」
と言ってくれる人もいました。
一方で、
「子どもの今の時期は今しかないんだから、子どもと向き合ったほうがいい」
という意見もありました。
どちらも間違っているわけではありません。
でも、当時の私はとても悩んでいました。
自分の本音を言えば、子どもと一緒に過ごしたい。
でも、これからの生活を考えると収入も必要。
それなのに私は、子どもとの時間よりも仕事を選んでしまった。
もしかすると私は、自分の中にある罪悪感を消したくて、
「働くことを選んでも大丈夫だよ」
と言ってくれる答えを探していたのかもしれません。
そんなときに出会ったのが、佐々木正美先生の本でした。
「一緒にいる時間を大切にする」という考え方に救われた
佐々木先生の本を読んで、私が特に心に残ったのが、
子どもと一緒に過ごす時間は、長さだけではなく、その時間をどう過ごすかが大切なのだ
という考え方でした。
外で働いていることを、子どもに対して申し訳なく思う必要はない。
長い時間ずっと一緒にいられなくても、子どもと接するときには、その短い時間を大切にする。
私はそんなふうに受け取りました。
それまでの私は、
「仕事をしている=子どもとの時間が少ない=子どもに申し訳ない」
と考えてしまっていました。
でも、本を読んで、
「短い時間でも、子どもとちゃんと向き合うことはできる」
と思えるようになったんです。
それだけで、気持ちが少し楽になりました。

私が子どもとの時間で意識するようになったこと
それからは、子どもと一緒に過ごせる時間を、できるだけ大切にするようになりました。
仕事から帰ってきて、家事をしていると、どうしても子どもと向き合う時間は限られます。
毎日、子どもとじっくり遊んであげる余裕があるわけでもありません。
だから私は、子どもが「これをしたい」と言ったときに、できる範囲で応えてあげることを意識するようになりました。
その一つが、絵本の読み聞かせでした。
寝る前に子どもが自分で絵本を選び、
「これ読んで」
と言ったら、その本を読んであげる。
それだけのことです。
5分、10分程度の短い時間だったかもしれません。
でも、その時間は家事のことや仕事のことを考えるのではなく、子どもと一緒に絵本を見る時間。
子どもが選んだ絵本を読んであげることで、
「あなたの話を聞いているよ」
「あなたと一緒に過ごしているよ」
という気持ちを伝えられたらいいなと思っていました。
もちろん、仕事をしているお母さんは本当に疲れています。
帰宅してから食事の準備や片付け、洗濯など、やることはたくさんあります。
だから「毎日必ず読み聞かせをしましょう」と言いたいわけではありません。
もし寝る前に5分、10分だけでも少し余裕がある日があれば、
子どもが選んだ絵本を一冊、一緒に読んでみる。
そんな時間があってもいいのではないかなと思っています。
私にとっては、それが子どもとの時間を大切にするための一つの方法でした。
そして、今になって「あの頃に絵本を読んでいてよかったな」と思うことがあります。
それは、子どもたちが大きくなった今でも、絵本の話をすることがあるからです。
テレビなどで昔読んでいた絵本が紹介されていると、
「これ読んだよね」
「この絵本、面白かったよね」
と話すことがあります。
絵本そのものの内容だけではありません。
幼稚園の発表会で、その絵本を題材にした劇や歌をやったこと。
そのときに歌った歌を、今でも一緒に口ずさむこと。
そんな思い出も残っています。
子どもが小さかった頃には、ただ寝る前に絵本を読んでいただけでした。
でも今振り返ると、その時間が親子の思い出としてちゃんと残っていることが嬉しいです。
今になって思うこと
今、子どもたちは高校生と大学生になりました。
振り返ってみると、あの頃の私は「これが正解」という答えを探しすぎていたように思います。
もし金銭的に余裕があって、無理をして働かなくても生活できるのであれば、子どもと一緒に過ごす時間を増やすという選択も、もちろん良いと思います。
私自身、今振り返ると、当時は貯金ができなくても何とか生活できていたので、無理に働きに出なくてもよかったのかもしれない、と考えることもあります。
でも、それも今だから思えること。
当時の私は、家族の生活やこれからのことを考えて、働くという選択をしました。
だからこそ、あの頃の自分を責める必要もないのだと思っています。
子育てに「これが正解」という答えはない
子育てをしていると、
「もっと一緒にいてあげたほうがいいのかな」
「仕事をしている私はダメなのかな」
「これで子どもは幸せなのかな」
と悩むことがあります。
私もそうでした。
でも、子育てを終えたわけではない今だからこそ思うのは、親も子どもも、それぞれ違うということです。
働くことが必要な家庭もあれば、働かずに子どもと過ごすことを選べる家庭もあります。
子どもと長い時間一緒にいることが大切な子もいれば、短い時間でも親との濃い時間を求める子もいる。
だからこそ、周りと比べて「自分はできていない」と思いすぎなくてもいいのではないでしょうか。
そして、その考え方を自分の子育てに取り入れる中で、子どもと過ごす短い時間を大切にするようになりました。
その一つが、毎晩の絵本の読み聞かせでした。
もし今、仕事と子育ての両立に悩んでいる方がいたら。
毎日完璧に子どもと向き合えなくても、ほんの5分、10分でも、子どもが選んだ絵本を一緒に読んでみる。
そんな小さな時間からでもいいのかもしれません。
そして、子育てに迷ったときは、誰かの「正解」を探すのではなく、自分の家庭に合った子育てや働き方を探していけばいい。
今の私は、そんなふうに思っています。
私にとって佐々木正美先生の本は、子育てに迷っていた頃の自分に、今の自分にできることを大切にすればいいのだと気づかせてくれた一冊でした。



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